- 純愛フィンフェイ(なにそれ)
- 両片思い中
深夜。止まない携帯電話のコール音に、フィンクスは眉をひそめた。
こんな時間に掛けてくるのは、団員でも限られている。
画面に表示された名前を見て、さらに目を細める。
「……フェイタン?」
普段ならまず掛けてこないやつだ。
通話ボタンを押すと、妙に弾んだ声が飛び込んできた。
「フィンクス〜〜、おい、聞こえるか〜?」
「お、おう…なんだよそのテンション。酔ってんのか?」
「んふ、バレた?」
電話越しにくつくつと笑う声。
あまりにも楽しそうで、フィンクスは一瞬言葉を失う。
「ひさしぶりに飲んだら、たのしいね~」
「あ?お前が“楽しい”とか言うの久々に聞いたぜ」
フィンクスは思わず額を押さえる。
電話越しに、珍しくよく笑うフェイタンの声。
その調子外れで楽しげな笑い声に、戸惑いつつも頬が緩む。
「ねぇ、フィンクス」
「んだよ」
「…お前の声きいてると、もと楽しい」
唐突な言葉に、フィンクスの心臓が跳ねる。
酔っているとはいえ、破壊力がデカすぎる。
「おい……酔っ払いのくせに」
「へへ、切りたくないね…なんか寂しくて」
不意に落ち着いた声色。
その一言に、フィンクスは胸の奥をぎゅっと掴まれる。
「今帰り道かよ?」
「そうね、帰り道」
「…しょうがねェ。着くまで付き合ってやる」
「ふふ、ありがと~」
甘えるような声に、今度は心臓の鼓動が妙に速くなる。
しかしよく考えてみると、こんな状態のフェイタンを一人で帰すのは危なっかしい。
「…なぁフェイタン」
「ん?」
「今どこにいんだ」
「港湾沿いの公園、角にコンビニあるところよ」
その言葉を聞いた瞬間、フィンクスは上着を掴んで外に出ていた。
「そこで待ってろ。すぐ行くから」
「え、フィンクス来るか?はは…うれし~」
電話越しの無防備な声に、フィンクスは口元を抑えて苦笑する。
「…手ぇかけさせやがって」
けれど足を速めながら、心の中では思っていた。
——いい、もっと手をかけさせろ。
今夜みたいなお前を、オレにしか見せるな。
夜風の中、フィンクスは通話を繋いだまま駆けていった。
fin.(phin.)
↓オチ

1対1でトークしないからグループ通話にかけちゃったあるある
フィンフェイ電子機器弱くてしょっちゅう誤爆してそう()
ネタ元は何か聞かないでやってください。